『ハック思考 最短最速で世界が変わる方法論 』を読んで

4年前に、何とはなしにブックオフで買って、何とはなしに数ページ読んで本棚にしまい、何とはなしに最近読んでみた、そんな本です。

当時、なぜ買ったのかは覚えていませんが、自分のことだからきっと「ハック術さえ身につけてしまえば全能なんじゃね!」という勢いで手に取ったんだと思います。実に自分らしい。

 

 

ここでいうハックとは、「同じインプットから生じる成果を劇的に高めること」を意味し、「時間×お金→成果」の「→」部分が意味する転換効率を劇的に上げることが、これからの(というか今もですが)不確かな時代を生き抜いていく上で大事だよね、という話が本の前半。

特に、ある事象を「観察」し、そこからこれってこういうことなんじゃねという「考察」をし、そこで生まれた規則性や法則の転用先を「推察」する。このサイクルを繰り返していく中で、目の前で現実に起きた事象とまったく異なる因果関係に気づくという「洞察」につながるわけですが、早い話がこの4つの察する力が大事なようです。

 

日々の中で実践するには少しばかり気力がいるため、意識できるかどうかで言えば「正直できない」という回答になりますが、息子がもう少し大きくなったら、この4つの力を意識して、いろんな事象を二人で見つめていければいいなと思ってます。

 

本の後半は「組織運営」についてフォーカスされていました。

 

個人的に頭に残っている言葉は、著者の須藤さんと会社員時代の上司との会話に出てきた上司の言葉です。須藤さんが事業計画の見積もりに弱音を吐き、「おまえさー」と説教をする上司。そのあとに、「まあ、いろいろあると思うけどさ」と話し出す。

 

「本来あるべき方向に向かって、世界はすごい勢いで落下しているんだ。いろんな既得権益を持った人たちが抵抗勢力になって邪魔するんだけど、それは重力に逆らうようなもので、あんまり意味ないんだよ。だって、世界が落っこちていくスピードの方が圧倒的に早いんだから。だからさ、その落下する方向を俺たちは真剣に見定めて先に落下していくべきなんだよ」

 

いろんな捉え方があると思います。ぼくは「どうせ着地点が決まってるのだから、悩んでないでそこにどうやったら早くたどり着けるかと必死になれ」というシンプルなエールと思えました。また、「自分自身が抵抗勢力になっちゃダメでしょ」という喝でもあるなぁと。

 

 

自分の仕事や生き方に活かしたい本でした。