『イエスタデイ』を観て

昨日の夜は、「日が変わる前くらいには起きてくれて、最後の授乳があるだろう」と予想できたので、子どもが起きるまで『イエスタデイ』という映画を観ました。

イエスタデイ (字幕版)

イエスタデイ (字幕版)

  • ヒメーシュ・パテル
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内容はこんな感じです。

売れないシンガーソングライターのジャックが音楽で有名になるという夢をあきらめた日、12秒間、世界規模で謎の大停電が発生──。真っ暗闇の中、交通事故に遭ったジャックが昏睡状態から目を覚ますと…あのビートルズが世の中に存在していない世界に! 彼らを知っているのはジャックひとりだけ!? ジャックがビートルズの曲を歌うとライブは大盛況。そしてエド・シーランのツアーのオープニングアクトを任され、ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくる。思いがけず夢を叶えたかに見えたジャックだったが──。

 

みんなが知っている超有名なあのビートルズというロックバンドが存在しなかったという世界線に紛れ込んだジャックが、ビートルズの曲を我が物顔で(と書きつつも、モヤモヤしながら)披露したことで、そこからどんどん有名になっていくというストーリーです。でも、こんなに旨くいく話はありません。ぜひ、映画を観て確認してみてください。

 

ちなみにこの世界線では、ビートルズだけでなく、「ハリーポッター」、「コーラ」、「シガレット(タバコ)」なども存在していなかったことになってます。登場人物とのやりとりで、「これも知らないの?」となるシーンがいくつかあるのですが、ちょっと癖になります。個人的に、エドシーラン本人がありのままで登場したときは、ビックリしました。それに、演技をしている感が全くなく、自然な振る舞いが癖になりました。

 

主人公ジャックが音楽家ではなく、映画監督や医者だったらどうなっていたのかなと思います。タイタニックの制作を進めていたのか、コーラ(ペプシはある)を作っていたのか。

 

それと同時に、自分がジャックと同じような状況になっていたら、どうなっていたのかしら。仮に、そうだな、ぼくの中で不朽の名作である『時をかける少女』を生んだとしましょう。「ぼくが今生きているこの世界にはあの時かけがないだと?」ということで、細かいシーンまで全て覚えている記憶力を頼りに(気づけば自前のDVDで毎年観てる)復元し、リリースしたとして。大ヒットすると思うんです。

 

でも、「ただただ好きだから」という、それ以上でもそれ以下でもない思い入れでは、「大ヒットしているのに空虚な作品」止まりなんだろうなって思います。そういう意味では、どんなものも、オリジナルは深くて濃いよなぁ。