『高校入試』を観て

FODの期限までまだ少しあるので、ここ1週間は湊かなえさん原作『高校入試』を観てました。もう釘付けです。伏線だらけで。

 

湊かなえさんの小説は、どこかで読んだことがある気がする。いや、それは西加奈子さんか。ごっちゃになってるなぁ。でも、湊さん独特の世界観をドラマからも感じることができました。

 

それにしても高校入試というドラマは本当に面白かったです。

簡単な概要はこんな感じ。

地元で有名な進学校である県立高校で、その入試を妨害するために勃発する出来事を描くミステリードラマ。入試日とその前日に起こる、試験を阻止するための様々な出来事を、同校教師の視点から、その犯人や目的を明らかにしながら、入試制度に一石を投じようとする物語である。

 

たった数日の、というか13話中12話は、高校入試という1日の出来事で構成されていて、本当の意味で「長いようで短い」ストーリーでした。

 

「偏差値の高い橘第一高校に入学できれば人生安泰」「三流大学卒でも一校出身ならok」という偏った考えがその地域にはあって、「一昔前ならきっと現実でもそうなんだろうな」と思ってみたり。今は流石に、ないはず。高校に限っては。

まあ、未だに「偏差値の高い大学=人生の勝ち組」のコードは健在ですが。

 

有名企業に勤めてても一高以外の高校卒業ってだけで、「彼、すごい良い方なんだけど、娘は嫁に出せないわぁ」と一高出身の教員が話すシーンも。

 

偏ってる。でも、世間体ってやつはきっとそうなんだろうな。

 

自分がこれだけ没頭して観れたのは、きっと、現実世界の3月に高校入試を控えているからだと思います。自分がなんの係を当てられるのかは今のところサッパリです。高校入試の業務に関わるのは今回が初めてですし。

 

ドラマとは言え、前日までの動き、当日の運営、そして採点業務。どんな感じなのかを知ることができました。あながち間違ってないだろうと思えました。

 

高校入試というイベントは、一人の人生を左右に別ける、めちゃくちゃ重要な分岐点です。たった1点2点の採点ミスで、いろんな人に影響が出ます。採点ミスには気をつけようと思う一方で、タイトルになっている現行の「高校入試」には疑問符がつきます。

 

偏差値による輪切り選抜体制にはやはり納得できません。多様性のない教育システムには飽き飽きします。だから、入試をぶっ壊すという目的、わからなくもないなと。

いろんな人がいる教育、なぜダメなのか。