『silent』を観て

ここ数日は『silent』に没頭してました。妻がオススメしてくれたので、せっかくだし観ようと思いまして。

2022年10月〜のドラマで、内容はこんな感じ。

 

主人公の青羽紬(川口春奈)は、8年前に一生をかけて愛したいと思えた恋人との別れを経験し、新たな人生を歩もうと前を向いて生きている一人の女性。そんなと大切な人との出会いは高校2年の秋、たまたま朝礼で耳にしたある男子生徒の声に惹かれたことがきっかけだった。壇上で作文を読

む、佐倉想(目黒蓮)に心を奪われた紬は、次第に彼が気になる存在になっていることに気づく。3年生で同じクラスとなり、共通の友人を通してだんだんと距離が縮まっていった二人は付き合うことに。音楽好きというお互いの趣味で通じ合い、仲を深めていった二人だったが、卒業後のある日、これからも一緒にいたいと思う紬に対し、想は突然、理由も言わずに別れを告げて姿を消してしまう。それから8年という月日が流れ、新たな人生を歩み始めていた細だったが、ある日、偶然、雑踏の中...

という感じで始まる物語。

 

ネタバレになってしまうのですが、佐倉想は若年発症型両側性感音難聴という、発症の原因がわからない遺伝性の聴覚障害を患っていました。紬から姿を消す理由がまさにそれでした。

 

このドラマでは、難聴を抱える想の葛藤・苦悩、そして想の周りの人たちの少しずつ変わっていく気持ちの変遷を感じることができます。

 

涙脆くない自分が何回か泣く場面もあり、なかなかに強烈なストーリーでした。それはきっと、「聴覚障害」という自分が経験したことのない試練を(ドラマとはいえ)見せられると、同情、母性本能などあらゆるものが一気にうわぁっと来たからなのかなと思います。

どんなドラマでも「所詮は作り物」と捉える癖があり、泣くことは滅多にないのですが、今回はやられました。

 

また、おそらく手話初心者のはずですが、目黒蓮さんや夏帆さん、風間俊介さんの手話のレベルがすごかったです。前勤務先で手話をやっていた身としては、「どれだけ時間をかけたのかな…」とドラマの裏側の努力に脱帽しました。

もちろん、幼少期から手話を習っていた子たちの手や指の動きは、ドラマに映っているソレとは比べ物にならないほど速いです。

間違いなく最初に見たら「え?」となります。

 

属しているコミュニティによっては隠語があり、巧妙な手捌きでコミュニケーションをとり、ケラケラ笑い合っててそれはそれで微笑ましかったです。

 

なんて過去のことを思い返す。

 

健聴者と聾者は分かり合えないことがあるでしょう。やっぱり境遇が違うから。健聴者同士でも分かり合えないのでなおさら。

お互いに壁を作ってしまうかもしれません。

それでも色眼鏡で相手を判断せずに、言葉や手話、文字で気持ちをしぶとく紡いでいくことが重要なんじゃないかと改めて考えさせられました。また、「相手は障害をもってるからきっとこう感じているはずだ」という前提ベースに接するのもよくないよなぁと。