生徒と面談や雑談をしていると、だいたいの人が「とりあえず大学に行きたい」と言います。「大学で何するの?」と聞くと、「大学生活を楽しみたい」という答えが返ってきます。「何を学びたい」という希望はないようです。目的のない大学という場所で、モラトリアムを満喫したいのだろうなと。
将来の夢についてもついでに聞いてみると、具体的な夢はなく、でも横浜や東京に行きたいという欲はあるようです。「とりあえず地元を出たい」そうで。
このことについて、彼らが悪いとは全然思っていなくて、現行の教育システムのエラーなんだろうなぁと考えています。なんならぼく自身、高校生のころ、大学で何をしたいという具体的な目標はなかったですし。
「地元を出る」「(英語を使うような)国際関係の職に就く」というプランくらいはありました。
ただ、高校出たら大学へ、という古いレールから、彼らを早く脱線させなければならない段階に入っています。そこにはみんなが思い描いているようなシナリオはないよって。
目的なく入った大学での4年間は、「もっと違うことに時間と金を投資すればよかったなぁ」に変わります、近い将来。
就活の時とかきっと強くそう感じるはず。
高校生からしたら、大学へ行くことがクールなのかもしれないですね。ボーダーフリーの大学だろうがなんだろうが、大学生というステイタスは欲しいのかなと感じます。
高校を卒業してすぐ働くことの方が実はクールだよっていうモデルをなんとか作り出したいです。「その方が幸せだよ」という働きかけだと、どこか漠然としているので、「イケてるよね」という雰囲気とか文化を作ったほうがなんとなくしっくり来ます。
もちろん、大学を完全否定しているわけではなくて、ただ「必要に応じて行く」がベストだと思ってます。それこそリカレント教育がまさにそう。
「なんとなく大学に行く」
生徒の口からこの言葉が出ると、どうしても「うーん..」というリアクションをしてしまいます。「社会に出たくないだけでは?」と。
「早く働きたい!大人になりたい!」と思える姿を生徒に見せたいものです。