数日前の弟の結婚式を振り返ってみます。
弟とは5つ歳が離れていて、成長が凄まじい弟の10代という大事な時期を、一緒に過ごしていませんでした、もとい過ごせませんでした。自分が高校を卒業し県外の大学生になるときに弟は中1に、自分がワーホリで海外へ出るときに弟は高校入試の結果待ち、自分が県外で大学院生になるときに弟は高校を卒業し、県外の専門学校へ。
一緒に暮らしていた時期が、今振り返っても、本当少なかったと思ってます。フルで一緒に過ごせたのは弟が生まれてからの12年間だけ。
自分が弟のことを考えれば、まず最初に頭に思い浮かぶのは小学生時代のあどけない姿なのも事実。
自転車に乗れば後ろを必死になって着いてくる。
仕草一つ一つ、なんでも真似をする。
キャッチボールでまだ威力の弱い球を投げる。
目がクリっとしていて生意気だけど可愛い雰囲気。
小学生特有の「あのさー」「うんとさー」というくどい喋り方。
すべてが良くも悪くも幼い印象です。
それから十数年。
お互い社会人になり、帰省で年に1回会うようになると、「弟ってこんな感じだったっけ?」と混乱する自分がいました。極めつけはやっぱり先日の結婚式。
カンペを見ながらではありますが、始めと終わりに立派な新郎あいさつをしている姿。中・高・専門学校・社会人と、それぞれの成長過程で出会った大切な仲間たちに囲まれている姿。「あれが弟..なんだもんな..」としみじみ。
心身共に大きくなった弟を見て、今さら、「10代の頃の弟ともっと過ごしておくべきだったな..」と後悔のような感情に直面しています。ぼくは、兄のくせに、弟のことを何にも知らないんじゃないかとか、あの期間、一緒にいてあげなかったのはどうなのかとか、そういった変えることが不可能な過去に意識がいっている自分に嫌気がさします。
それでも、弟が自分の欠点をひどくこじらせない限りは、幸運にも妻や義実家に恵まれていて、きっと支えられながら幸せに生きていけるんだろうなと思っています。そういう運命に巡り合えたのは、結局のところ、遡れば10代の過ごし方が大きいわけで、そこにもし自分が存在していたら、どう転じるかは誰にも予想できないわけでして。ひょっとしたら、というか間違いなく今の妻にも会うことはできなかったでしょう。場合よにっては、「専門じゃなくて大学に行く!」と言っていたかもしれませんしね。
「弟がたどり着いた今のことを考えれば、それなら後悔しなくてもいいか」という結論にも至ります。「自分が知っている小学生の頃の弟」と「一緒に過ごせなかった頃の想像により生まれた正体不明の弟」に、自分が吸い寄せられているだけみたいです。
何はともあれ、弟夫婦よ、幸あれ!
タイミング見計らって帰省前に一度会えるといいね。