『中学歴史 平成30年度文部科学省検定不合格教科書』を読んで

個人的に応援している竹田さんの本を図書館から借りて「部分的に」読んでます。全部は読めそうにないのは、「弟の結婚式旅行の直前に借りたこと」と「ぼくの次にすでに予約が入っていること」などの不遇が重なり、延長貸出ができず、明日には返却しなければいけないためです。今日の夜と明日の朝の隙間時間で、歴史的に気になる部分を読んでから返却しようと思います。

 

 

この本は、文部科学省教科書検定に申請して「不合格」となった「教科書」がベースになっています。竹田さんが代表を務める令和書籍は、平成30年度の検定に申請後、取り下げ、そして令和元年度から3年度まで3回にわたり申請しましたが、いずれも不合格となっていました。今回の本は「文部科学省検定不合格教科書シリーズ」の第一号です。(最終的には今年の4月、検定に合格してます。教科書として読まれるのは令和7年度~とのこと)

自分が知っている教科書と違うなと思ったのは、やはりデザイン。こちらは国語の教科書のように縦書き×右開きです。

 

 

内容も「面白い教科書を目指しました。楽しみながら学べる「読み物」に仕上がっています。歴史は本質的に面白いものです。その面白さを素直に表記しました。」と宣言されているだけに、非常に読みやすいなと思いました。また、自虐に走らず、客観的に書かれているのも良いですね。

 

 

読んでいて痛感したのは、「自分は歴史を暗記科目としてしか認識していなかったんだな」ということ。

英仏米がブロック経済ニューディール政策に至った経緯、なぜ柳条湖事件が起きたのかなどを今になって知りました。もちろん、高校時代の教科書でも知ることはできたんでしょうけど、昔と今とでじゃ意識が違うから、感じ方もかなり変わってきます。

 

 

社会(歴史)と言えば、「高校入試で点が取りやすい教科」としてしか認識していなかったのが本音です。実際のところ、パズルみたいなもんで、「キーワードを見て条件反射的に解答欄を埋める」だけで当時は高得点を狙えてましたし。現に、英語に次いで社会は、受験でも2番目の点稼ぎ頭でした。

 

 

高校に入ってからは、日本史世界史ともに覚える量が格段に増え、楽しさを見いだせず挫折しました。2年次の世界史に関しては、前期あたりの期末考査で32点を叩き出してますし(ギリ赤点回避)。「魅力がない上に暗記量が増えたらそりゃ投げやりになるわな」と。

 

 

日本史センター試験で満点近くを取っていた当時の同級生には脱帽してしまいます。今さら歴史に興味を持ち始めた自分ですが、タイムスリップできるなら当時に戻って、そんな彼と歴史について語り合いたいですね。

 

 

とはいえ、大人になってから避けていたものの楽しさに気づくこともしばしばあるわけでして。ある程度歳を重ねてからコーヒーを好むようになるのと原理は一緒です。歴史に関してはぼくの場合、30手前っぽいです。

 

 

この(不合格)教科書を片手に、教室にいる生徒同士で「この戦争なんだけどさー、」とか「当時の政策の問題はさー、」なんて歴史を直視して、語り合うきっかけになったらいいのにねと思ってみたり。過去に戻れるなら、自分はそうしてる気がしてます。絶対楽しいだろうな。

 

 

不合格版も読み応えがありますが、Amazonで完成版の『国史教科書』を購入しちゃいました。人気過ぎて来月中旬に届くそうです。