『人はどこまで合理的か 上』を読んで

この本を買った理由としては、Youtubeかなんかでたまたま観ていた動画に、参考文献として紹介されていたからです。「おもしろそう」と思い、上下巻をすぐに購入し、家に届いたものをさっそく読むかと思いきや、積読現象に見舞われました。

 

この本と同時期に学校から借りた本(たしか小説だった気が)に気をとられ、そちらを読んでいるうちにこの本の存在自体を忘れていました。それに、この本が届いてすぐに数ページめくってみたら、「うわ、なんか書いてること複雑やんけ!」となったのも一つの理由です。

 

でも最近、手に取って読んでみることにしました。

 

というのも、世の中、国内外、いろんなことが起こり過ぎてて、頭の整理が追い付かないと言いますか、真実と虚偽が混ぜ込まれた情報に惑わされている自分をなんとかしたいなと思いまして。どうしても不安になってしまうんです。

 

地球上で人間は一番賢い生き物であるはずなのに、言ってしまえば愚かな行動や選択が多いこと多いこと、もちろん自分を含めて。フェイクニュース陰謀論、将来への蓄え(投資)を怠ること、国同士の消耗戦などなど。でもこういった事象には理由やパターンがあって、その仕組みを理解し、何かしら対策が取れれば、自分の中に立ち込める不安を取り除けるんじゃないかな、というのがこの本を再度手に取った理由だったりします。

 

ですが、本の内容は自分には難しかったです。確率を始めとした数学を使ったりして世の理を解説しているので、「理系に相当憧れているガッツリ文系人」の小生には、すべての内容を理解し咀嚼するのは不可能でした。そのため、「あ、この章は無理だわ」ってところは読み飛ばしました。でも、それくらいの向き合い方が自分に合っているなと改めて実感。

 

読み終わってみて感じたことは、読み始める当初目的としていた「自分を安心させる」は叶えられたのかなと思います。読み進めていくうちに出てくる「利用可能性バイアス」「犠牲者の言説」などを理解すれば、物事を悲観的に物事を捉えがちなだけだよねと妙に納得できる。とはいえ、悲観的な捉え方は行き過ぎなんかじゃなく、あながち間違ってないぞということもあるので、楽観のし過ぎもよくないが。

 

この本を読んで、これから習慣にしようと思ったことが1つ、自分なりに学んでいこうと思ったことが1つできました。

 

習慣にしようと思ったことは、ニュースの一つ一つにバイアスがかかっていることを前提に、情報摂取のバランスを取ろうと思いました。より大きな統計的全体像も把握したうえで一つ一つのニュースを見ていきたいなと。いや、流石に一つ一つは面倒なので、まずは気になったものから。

この本でも紹介されていた「Our World in Data」での閲覧数を意識的に増やしていきたいです。XやFacebookのニュースフィードに偏らないように。

ourworldindata.org

 

自分なりに学んでいこうと思ったのが、確率について。特に、「ベイズの定理/ベイズ推論」には力を入れてみたいと思いました。どんな内容かと言えば、「証拠の強さ」を扱う確率の法則らしく、新しい事実を知ったり、新しい証拠を観測したときに、「どの程度確率を修正するか(考えを変えるか)」を示す法則なんだそうで。

「この法則は日常的な推論で最も頻繁に無視されている規範モデルの一つで、もっと多くの人がこれを理解すれば、公共の合理性に大きな効果をもたらすはずだ」とも書かれています。

読み進めていくと「これは自分のためにも深く学んで損はないな」と判断しましたが、いかんせん、自分には到底理解が追い付かないものでした。解説動画などを視聴しても、「うーん..」という感じ。数回の視聴と本の読み返しでは納得できなかったです。悔しい。

 

「出来の悪い脳なのだからもっと時間をかけろ」ということらしいです。いやはや。。それでも、自分の中に取り入れたいと思えたので、ここはしぶとく食い下がりたいところです。

 

そんなこんなで、一応、上巻を読み終えたので、このまま下巻に進みたいのですが、お口直しに別の本を一旦挟もうと思います。

でも、良い学びのある本でした。