『わたしに会いたい』を読んで

西加奈子さんの本は、数年前に読んだ『サラバ!』シリーズ以来です。

短編小説が8つほど収録されている本で、ストーリーはそれぞれ違うのですが、共通のキーワードは何かなぁと読み終わったあとに思い返すと、「アイデンティティ」「性」なのかなぁって。

 

ドッペルゲンガー視点の「わたし」、乳がんのしこり視点の「わたし」。そして、「私」を「あなた」と呼ぶ。どこか客観的に読むことができる内容が斬新でした。

ただ、読了後に、感想をうまく言葉にすることができないのが歯がゆいです。

 

文字や言葉にしようとすると、湯気のように消えてしまい、表現できなくなるものでして。

 

「寝る前に読む」というルールにしてしまったことで、読み切るのに1週間かかりました。そのせいもあって内容がうろ覚えで、自信をもって書けないというのもあるのかもしれません。

 

それでも「読んだんだぞ」という記録を残すには、何かしら書かねば。

月並みの感想になりますが、こんな感じかしら。

 

世間は『自分らしくいることが大事だよね』とは言うけれども、それでもぼくら人間は周りの目を気にしちゃう生き物だから、個人的には『自分らしく生きろ、ありのまま生きろ』はなんか乱暴なアドバイスだなと思っちゃいます。何事にも言えることですが、「~過ぎる」ことがいけないのかなと。気にし「過ぎ」たり、使い「過ぎ」たり、お金かけ「過ぎ」たり、などなど。し過ぎる前に、「あれ、いいのかなこのままで」と思う瞬間があるはずなので、そこでスピードを緩めると言いますか、抑制できることが大事じゃないすか。なんやかんやでそれが「自分らしく」生きる近道なんじゃないかなって。

 

ストーリーと関係あるかどうかは別として、ぼくはそんな感じ。

 

おあとがよろしいようで。