熊擁護論

連日、全国的に熊警戒アラームが出ております。

 

自分の働いている県なんかはまさにそうで、今日なんかは学校付近で出てしまったために、放課後は学校中大慌てでした。

 

日々、「熊に警戒しないと」と思う一方で、こう見えて感受性豊かではあるので、熊という生き物本体にも同情しております。

たまたま姿・形、本能、暮らす場所、食べるものが人間という圧倒的マジョリティと違うだけで、常に指名手配を受けていて、人様の住む世界に入ってしまったら最後で銃殺されるのが基本的なオチ。

 

マイノリティゆえ、熊もその暗黙の条件を呑まざるを得ないのかなと。もちろん、そういう人間が決めた条件を熊は知ったこっちゃないわけで、「こちとら生きるために、越冬するために、必死なんじゃ」という気持ちで日々を過ごしているわけで、弱肉強食社会の過酷さを、人間という身分から勝手に気の毒に思っております。

 

かといって、熊と仲良くしろっていうのかと問われれば、答えはもちろんNOです。

小熊のときから一緒に暮らし、成獣になり、やがて老いるわけですが、だいぶ攻撃的になることもあります。実際に人間を噛み殺したなんて事件も過去にありましたし。

 

でもそれは、本来は別々に生活するべき動物同士が「混ぜるなキケン」という忠告を冒してでも生活を共にした結果であって、熊が悪いとは思えません。

「愛着」や「主従関係」という湧いたり築いていけない、またはそうする必要のないことにわざわざ走った人間にも罪があるような気がします。

 

全国的に発生している熊についてですが、「人間が活動の場を開拓し過ぎた」という事実、それ以上でもそれ以下でもないと思っております。

 

まあまあ言うてますが、熊の行動を結果的に擁護していますが、そちらにはそちらの事情があるわけでした。ただ、人間側の自分としては、何はともあれ、無事にこの騒動がおさまり、早く冬眠してほしいと切に願っております。