人の脱皮を見ているとワクワクする

2年生を担任していると、いよいよ受験を意識し出す時期なのかなとひしひしと感じつつあります。

1年生はどうなのか、正直わかりません。1年生の授業に1つも出ていませんし、雰囲気なんかも少しもわかりません。まだ高校生活に慣れるのに必死だったり、あるいは、慣れてきてだんだん楽しくなってきた今、勉強そっちのけだったりするんですかね。

 

2年生は、8月に行ったスタディサポートの結果を返すと、「そろそろヤバいかも」と焦り出す生徒が出て来たりしています。「今の学力だとこのレベルの大学群に行けますよ」と懇切丁寧な日本語と数字で教えてくれます。

お手製のワークシートを配布したのですが、それがなくても、「もっと頑張らねば」「このままじゃまずい」となっているので、結果をドーンとぶつけるシンプルさがなんだかんだで効果抜群だよなと改めて考えさせられます。

 

ある一人の生徒は楽観主義的で、学力に関して「焦り」を感じないタイプなのですが、スタサポの結果をみて、「流石にやばいと感じていて、今ものすごく焦ってます」とぼくの前で本音をこぼしました。そういう姿が実に珍しかったので、放課後に20分近く話してしまいました。

人が変わろうとしている姿を目の当たりにすると、どうも胸が高鳴る。「お、良い方向に化ける瞬間を、今ぼくは見ているのかな」と。

成長期の学生と接する機会の多い先生にしか味わえない特別なものです。

 

その生徒が変わっていく姿を、ぼくはこれからも見届けたいです。

 

うまくいけば、クラスの起爆剤的存在になるんじゃないかと勝手に妄想してます。それくらい、「変わろうとしている姿」が貴重なんです。

 

ただ、進学校ゆえに、どうしても「大学進学」が全体のゴールになっているのがもどかしいです。ぼく自身、基本的に「大学がすべてじゃないと思うけど」というスタンスをとってます。「生涯賃金」「奨学金という名の借金」「非正規雇用の増加」など絡めて話しても、生徒から「ふーん」というような反応ばかりが返ってきます。もちろん「私もそう思っています」と言ってくれる生徒もいるのですが、少ない。全体的には大学進学に意識が行き過ぎていて、なかなか根深い問題だなぁと日々考えさせられます。

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