2023年度の高校教員生活を振り返って

当たり前ですが、本日3/31は年度末です。1年の振り返りにはちょうど良い日ですね。こちらのブログでさくっと今思っていることを綴ってみようと思います。さくっと、と書いてますが、ちょっとした昔話も入ってくるので長いかもです。

 

私の現在の職業である高校教員は悲願の職業だったと言っても過言ではありません。

 

でも実は大学3年生~院2年生は「中学校教員」志望でした。

理由は、「漠然と」です。先生になろうと心に決めていましたが、小学校教員ではないよなという自覚はあって、高校教員は倍率高いしなるのは難しそうだから、言ってしまえば消去法で中学校教員という選択をしてました。

 

でも、たまたま受けた自治体、まあ自分が今働いているところなのですが、中学志望だろうが高校志望だろうが、「中・高」枠で受験する必要がありました。合格後、どこに振り分けられるかは運次第。

辞令交付式(郵送ではなく教育センターに赴いて配属先を直接知らされました)では、初任校が特別支援学校と言い渡されました。あのときは本当に寝耳に水でした。特支の免許も持ってなかったでなおさら。もちろん、「中・高枠で採用されても、特別支援学校に配属されることは、可能性としては全然ありうる」ということは事前に承知してましたが、まさか自分が、というのが正直なところ。

 

とはいえ、「特別支援学校に配属されて、働く」状況を授かれなかったら、きっと人生の中でハンディキャップを抱えた、いわゆる特性のある子どもたちと密に接することはなかったはずです。今でもあそこでの3年間の学びに感謝しています。

 

そうだ、その人生を変える辞令交付式のときに決定したことがありました。

もし自分が特支の免許を取得すれば支援学校で働き続けることになる。取得しなければ、数年後に高校へ異動することになる。数年後というのは通常3年。早くて2年です。

 

「3年」とはいえ、長かったなぁと今でも思います。大学院で学んだことを実践する場がなかったのは精神的に堪えましたし。3年間の勤務で、「早く高校へ行きたい」という思いが年々(いや日に日に)増すばかりで、そのセルフメンタルケアがなかなか。自分と同じ境遇の同期には、2年で高校へ異動している人もいたので、それを知ったときはひどく焦りを感じた記憶があります。

 

そんな中で、昨年の3月中旬に高校への異動が叶いました。

本来であれば、寂しさや悲しみで満たされるのが異動のはずですが、その感情の割合は2割程度。8割は「やっと出れる」という解放感と、「ここから始まるんだ」というワクワク感。

 

ここからはこの1年を過ごしてみての率直な感想を綴ります。

 

授業に関しては、4月から『学び合い』を実践しました。いろんな波を乗り越えて、生徒集団の特色に合わせて、途中、形をちょっと変えながら続けた、そんな感じ。良く言えば「臨機応変」に対応したつもりですが、言ってしまえば「竜頭蛇尾」な実践だったなと反省しています。強い信念をもって生徒集団に語るってこんなにも難しいなんて、と。もっとこう、「徹底性」とか「こだわり感」を持っていれば、良い意味で違った結果になっていたんだろうなぁとも思っています。3学期に関しては、演習に移行したため、「全員達成」とか「みんながわかる」にフォーカスできていなくて、『』を方法論で捉えていました。語りも受験的な内容に傾倒していました。でも、こっちの語りの方が、1,2学期の語りよりも、生徒集団には緊張が走っていたのも事実で。

 

 

生徒指導やクラス運営に関しては、喝ですね。そもそも勤務先、もっと言えば勤務先の自治体の県民性だったり、高校の文化がわからない状態だったので、自分がOKだと思っていたものが実はNGだったりしました。そのたびに他の先生から注意を受けて、気づけば「自分が考える大事なこと」を後回しにして、周りの先生の指導に頼っていました。周りに一任していた、が正しい言い方でしょうか。ので、「ただただ緩い先生」という印象を生徒に持たれたのかなと。

厳しさを出していかなきゃいけないところで甘い対応をしてしまって、生徒から「こいつカモだな」と思われていたのも確かで。

 

自分の言うことを聞けないという状況が3月の終業式に不意に出てきました。これまでできてたことが最後の最後にできない、というおかしなこと。そのとき、生徒に対するイライラもありましたが、一番は「これが1年間の自分の成果か..」という落胆の思いが強かったです。「締める時に締める」「ONとOFFの使い分け」が1学期でできていなかったこと、それがズルズル学期末まで引きずられて、招かれた結果なんだろうなと。

 

「思い通りにいかなかった」

これが2023年度の振り返りです。

 

ただ、やっぱり1年目は失敗があってこそだと思っていて、失敗によって生まれた結果をまずは冷静に収穫します。事実を見つめるのは辛いですが..。でもこの作業が大事なのは間違いなくて。

同じような失敗を「再現」しないために、今度はどうするべきかはすでに頭の中にあります。あとは行動に移すだけ。

「次は大丈夫だろう」という慢心とは別の強い決意・野望で臨みたいと思ってます。

 

そんな感じの1年間でした。

それにしても、日々学びの多いこの職業は嫌いになれないです。

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