シンプルだからこそいい

語学学習に言えることですが、

「単語」ってむちゃくちゃ重要なんですよね。

 

大前提として単語を疎かにして上達することはありえないわけで、受験英語にしても基本的な単語を知ってないと、解けるもんも解けないわけです。

 

ほとんどの生徒が受験で英語を使うので、「いずれにしても単語はやんないとダメよ」と春先からずっと言っていたのですが、反応はイマイチで、大多数が疎かにしてました。「ま、いいっしょ」と。

 

でも最近は、英検を来月に控えている生徒がいること、高2の中盤に差し掛かっていよいよやらなきゃと思い出したことが要因(と信じたい!)で、クラスに英単語帳を勉強する雰囲気が出来始めています。

 

自分のクラスは、理系ということもあり、英語が苦手な子が多く(決して点数が著しく悪いというわけではない)、なんとかならんもんかねと1学期から思っていました。

そこで7割本気で、「御託はいいからさ、なんか1冊の単語帳をカンペキにしてよ」と生徒を煽りだしたのが7月後半。

 

その煽りを真に受けて何人かの生徒は、英検を受験するわけでもないのに集中的に単語帳で勉強をしています。ぼくに構って欲しい生徒が、「先生、なんか単語の問題出してきてくださいよ、ぼくいけますよ」と近寄ってくるので、ぼくもムキになって黒板で問題を出します。

 

「教師が問題を出し、それに奮闘する生徒」という画。

 

その雰囲気が楽しそうに見えるのか、気づけば、ぼくたちを囲むように別の生徒がその空間に加わり、一緒に答えていることが多いです。

昭和を生きた人間ではないから実際のところはわからないけど、イメージで言うと、ALWAYSー3丁目の夕日ーで、主人公の家に町の人みんながプロレㇲ目当てにテレビが置いてある居間に集る、あの感じに似ている気がします。

 

もっとこのムーブメントを熱狂させたいなと思い、オリジナルのグッズを作ってみました。早い話が、単語や文法が書かれた付箋をクジみたく引いて、それが出てきたら答える。またはある単語とある文法が書かれた付箋を引いたなら、それを組み合わせて何か文を作ってみて、というゲーム方式をやってみました。

 

でも反応はイマイチでした。

 

付箋をめくるのが面倒だということ、テンポが悪くなるということから、あまりウケが良くなかったのかなと振り返ります。

 

「変に手が凝っちゃうと逆に萎える」現象。

あぁ、あるある、そういうこと。

事後に反省、そして恥ずかしくなりました。

 

野ブタ。をプロデュース』にもありましたよね。

信子が紙でつくった豚の手作り人形が、思いの外、学校中で人気に。

そこで修二が、もっと流行らせたいと思い、プラスチックのキーホルダーで売ったら売れ行きが悪くなったあの回。

 

それと似てるような気がします。

 

まあまあ、何はともあれ、シンプルが一番ですよね、何ごとも。

 

ぼくは、生徒の学びの空間から、教師という存在をなるべく消したいと思っています。だから授業が一斉授業形式からかけ離れているのですが。

ぼくがいなくても問題を出し合う空間が、今よりももっと生まれてくれればいいなと思います。